履歴書は和暦だけど仕事の書類は西暦?
役所の書類に西暦はダメ?
日本人なら書類に日付を記入する時にいつも迷っているのではないでしょうか。
そもそも西暦とは一体何なのでしょうか?
西暦は紀年法の1つ
紀年法(きねんぽう)とは年を数えるための方法のことです。
元号も和暦も干支も西暦もすべて紀年法です。
世界で一番使われている紀年法
いろいろな紀年法の中で世界で一番よく使われているのが西暦です。
そのため、外国向けに作成する書類の日付は否が応でも西暦となります。
イエス・キリスト誕生の翌年が元年(紀元)
西暦はイエス・キリストの誕生の翌年を元年(紀元)とする紀年法です。
その年以後西暦xx年、その年以前を紀元前xx年とするわけです。
西暦0年と紀元前0年はなく、西暦1年の前の年は紀元前1年になります。
また、イエス・キリストとはもちろんキリスト教におけるキリスト(救世主)のことです。
つまり、西暦とはキリスト教と関係が深い紀元法であり、キリスト紀元とも呼ばれます。
実際のイエス・キリストの誕生年
ここまでの話からイエス・キリストが生まれた年は?
と聞かれたら「紀元前1年」と答えられるか?
もちろん「西暦1年」とか「西暦0年」と答えるのは誤りですよね。
西暦という紀年法が提案された当時の知識では紀元前1年にイエス・キリストが生まれたと考えられていました。
しかし、現在では実際にイエス・キリストが生まれたのは紀元前4年頃だと考えられています。
便利な無限の紀年法
前述の通り、西暦ではイエス・キリストの誕生の翌年以後を西暦xx年、誕生以前を紀元前xx年と数えます。
暦の中で元年(紀元)が1つだけのため、西暦100億年でも紀元前1兆年でも年を無限に数えることできます。
これは有限や循環式の紀年法に較べるとわかりやすくて便利です。
有限の紀年法
日本人ならもちろんよくご存知の和暦が有限の紀年法です。
和暦とは日本独自の紀年法で新天皇が即位すると新しい元号(平成や昭和など)が制定され、元号毎に元年が存在します。
などと無限の紀年法に比べるとあまり便利とは言えません。
循環式の紀年法
日本人に馴染みの深いのが干支(えと)です。
干支では十二支、つまり12年までしか数えられないのでは?
いえいえ、干支を十二支のみの意味で使うことも多いのですが、本来の干支とは十干と十二支との組み合わせによる60個の数詞です。
つまり、60年まで数えられ、かつ循環します。
よく「同じ酉年の生まれだね」などと言いつつ、年の差が12歳だったり24歳だったりしますよね。
これは干支を十二支のみの紀年法として使っているため12年で暦が循環しているためです。
これはこれで面白くはあるのですが暦としては紛らわしいです。
無限の紀年法である西暦では「同じ2011年の生まれだね」で年の差があることはありません(誕生日前とか後とかの話は別です)。